CAD(Computer Aided Design)は建築、機械、土木、デザイン、ジュエリー、ファッションなど色々な業界で使われます。
また趣味や仕事で3Dプリンターを使う場合、CADのスキルは必須です。
この記事ではCADを独学で学びたい方のために、役立つ情報をお届けします。
- CADを独学で学べるのか・難易度
- 独学でCADオペレーターになれるのか・なり方
- 就職や転職に役立つCAD資格
- CADの勉強を始めるために必要なもの
- CADを独学で学ぶ勉強方法
CADを独学で勉強するのは難しいのか~難易度は?
結論から言うと、CADの基本操作や作図のやり方は独学で学べますし、マスターできます。
そのためCADを独学で学ぶのであれば、以下の点をしっかり意識しましょう。
- 初心者・未経験者も独学で学べる
- 目指すレベルによっては独学では難しい
- 目標設定がとても大事
未経験・初心者でもCADは独学で学べます
CADはパソコンとCADソフトがあれば誰でも使えますし、テキストや動画、インターネット上のサイトにも情報がたくさんあるので、未経験者・初心者も学べます。
ただし基本操作程度であれば独学でも1~3週間程度でマスターできますが、CADを使って何をしたいのか、どのくらいのレベルを目指すのかによって、独学でマスターできるかどうかが決まります。
もちろん努力の量やかけられる時間、得意不得意など個人による違いもあるでしょう。
CADオペレーターとして就職や転職をしたいなど、仕事としてCADを使えるレベルを目指すのであれば、独学では効率的ではない、ものすごく時間がかかる、履歴書で落とされることが多いということは覚悟しておきましょう。
独学でCADオペレーターになれる?
CADの基本操作程度であれば、1~3週間もあればマスターできます。
ただCADオペレーターを目指すのであれば、数ヶ月程度の勉強は覚悟しておきましょう。
- 独学でも大丈夫です
- 実践的な作図をマスターするなら2~4カ月程度の勉強が必要
- 進む業界や就職先を選びたいなら戦略的に勉強を進めるべき
極論、CADを触ったことが無くても派遣社員の立場でCADオペレーターとして配属され、社内研修でCAD操作を学べる会社もあります。
ただし自分で就職先をある程度選びたい、進みたい業界が決まっている、CADオペレーターとしてやりたいことがあるなら、どこでもいいから就職というわけにはいきませんよね。
自分で就職先を選びながら独学でCADオペレーターとして就職するのであれば、目指す業界や企業で使われるCADソフトを勉強したほうが圧倒的に有利です。
目標達成に必要なCADや知識を身につけられるように勉強を進めましょう
さらに採用試験を有利に運ぶために、CAD利用技術者試験の合格など「私はCADをしっかり使えます」とアピールできる材料も用意しましょう。
CAD利用技術者試験は2級であれば独学で合格する人もいます。
1級となると1発合格はかなり難易度が高くなるので、年2回の試験を何度か受験する覚悟が必要です。
CADの資格が就職・転職に役立つ理由
CADの資格があれば、あなたがCADを使える人材であることを証明できます。
つまりCADの資格は就職や転職の採用試験で有利に働くものです。
言い換えると、就職後、転職後に現場で役に立つかどうかは業務内容にもよると言えます。
就職や転職が目標、CADを勉強したあとの腕試しに合格したい、目標があるほうががんばれるという方は、資格合格を目指すのはおすすめです。
CADを独学で勉強するために必要なもの
CADを独学で学ぶなら、パソコンなどの機材と勉強を進めるための教材が必要になります。
- パソコン
- CADソフト
- プリンター
- 参考書・練習作図問題などの教材
練習作図問題はネット上にあるものを活用できます。資格試験を目指すなら試験の公式ガイドブックなども使いましょう。
以下、もう少し深掘りして解説します。
パソコン
CADを勉強するには、CADソフトを動かすためのパソコンが必要です。
すでにパソコンを持っているなら、まずはパソコンにCADソフトをインストールして使ってみましょう。
パソコンの性能(スペック)が不足していると、動作が重くなることもあります。
パソコンでCADソフトを快適に使うには、以下の点に特に注意してください。
- メモリ:16GB以上
- HDD・SSD:512GB以上
- グラフィックボードはNVIDIA GeForceシリーズがおすすめ
家庭用パソコンに多く使われるメモリ容量8GBでは、動作が重くなる可能性があります。できればメモリは16GB以上あると良いでしょう。
有名CADソフト AutoCAD LT 2024は16GB以上のメモリを推奨しています。
またCADソフトそのものの容量も考えると、HDD・SSDは512GB以上、予算が許せばSSDが読み書きが速いのでおすすめです。
パソコンにはグラフィックス処理のためのグラフィックスボード(GPU)という部品があり、GPU性能もCADソフトの動作に影響します。
グラフィックスボードには、世界中のパソコンで多く使われているNVIDIA GeForceシリーズがおすすめです。
独学におすすめなCADソフト
CADソフトにも色々な種類がありますが、日本でよく使われているCADソフトを勉強すると良いでしょう。
以下、よく使われるCADソフトです。
- Jw_cad(独学におすすめ)
- AutoCAD
- SolidWorks
- Vectorworks
- AutoCAD LT(販売終了)
Jw_cadは無料で使える国産CADソフトとして人気があり、中小企業では特に高いシェアを占めています。
初心者が独学でCADを学ぶなら、入手しやすいJw_cadがおすすめです。
Jw_cadは無料かつ国産で使っている人も多いことから、わからないこともネットなどで答えを探しやすいです。さらに実際の現場でも使われるCADソフトのため、今後の役にも立ちますね。
AutoCADは世界的に大きなシェアを占めるCADソフトで、大手企業はAutoCADを使う傾向にあります。
AutoCADはサブスクで1カ月8,800円で使えます。(>AutoCAD公式サイトはこちら)
他、建築・土木・機械・アパレルなど業界によって使われるCADソフトが変わります。
テキストと練習用図面・練習問題
パソコンは習うより慣れろという人もいますが、CADソフトは違います。専門的に学んだ人が使うソフトです。
独学でCADソフトを使えるようになるには、参考書などのテキストを使うほうが効率的に勉強を進められます。
また操作方法をテキストでインプットしたら、練習図面、練習問題を解いてアウトプットしましょう。
CADソフトに限らず、インプットとアウトプットのくり返しと反復こそ学習の王道です。
プリンター
作成した図面は必ずプリントアウトして誤りが無いかどうか確認します。
パソコンの画面でも確認できますが、完成した図面全体を眺められるので気づきづらい誤りにも気づきやすいです。
初心者がCADを覚えるまでの勉強方法
独学でCADを覚えるまでの勉強方法を解説します。
以下の流れに沿って学習を進めて、あなたに合うやり方を見つけてください。
テキストや動画・サイトを活用してインプットしながら基本操作を学ぶ
CADソフトをインストールしたら、すぐに使えます。
テキストは書籍でもインターネットにある解説サイトでも構いません。
YouTubeにある解説動画も参考になりますよ。
CADソフトを触りながら基本操作やできることをインプットしていくイメージです。
知っておくべき用語をマスター
基本操作の学習と並行して、CADの操作やCADオペレーターの業務で使われる用語もマスターしていきましょう。
暗記するのでは無く「知らない単語が出てきたら調べる」ことを繰り返せば自然と身につきます。
CADを操作して図面を書いて基本操作をマスター
練習図面をたくさん書く反復を繰り返していけば、基本操作はマスターできます。
基本操作のマスターであれば1~3週間程度が目安です。
実践的な練習図面を作図して反復する
基本操作をマスターしたら、実践的な練習図面に進みます。
あなたが興味のある業界の図面があればなお良しです。
実践的な練習図面もインターネットやYouTubeなどから探せます。
CAD利用技術者試験の「基礎」「2級」レベルの公式ガイドブックや過去問などを利用するのもアリです。
資格試験の問題にチャレンジ
実力が付いたら、資格試験の問題や実際に試験を受験して腕試しをしましょう。
CAD利用技術者試験を「目標」「実力の確認」として使うことは、モチベーション維持にも有用です。
また試験日までにマスターする気持ちを持つと、独学を継続しやすくなります。
CADオペレーターになるならチャレンジしたいCAD資格
独学からCADオペレーターを目指すなら、CAD資格を持っておくと採用試験で有利に働きます。
資格を持つことで、CADの実力の証明やCADソフトを使える適性があることを、試験官に客観的に伝えられて有利です。
ここでは採用試験で有利に働く資格、CADオペレーターが取得しやすい資格を2つ解説します。
CAD利用技術者試験
CAD利用技術者試験は日本で最もメジャーなCAD資格です。
一般社団法人コンピュータ教育振興協会が主催しています。
CADの資格と言えばCAD利用技術者試験、履歴書に堂々と書ける資格です。
- 2次元CAD利用技術者試験(基礎)が学び始めに最適
- 慣れたら2次元CAD利用技術者試験(2級)
- 専門性が付いたら2次元CAD利用技術者試験(1級 建築・機械・トレース)
- 3次元CAD利用技術者試験は2級・準1級・1級
2次元CAD利用技術者試験は3つのレベルに分かれています。
2次元CAD利用技術者試験(基礎)と2級はほぼ通年実施されており、基礎は自宅でも受験できます。2級も予約をすればテスト会場で何度もチャレンジできます。
初心者が独学で学ぶなら2次元CAD利用技術者試験をまずは目標にしましょう。
3次元CAD利用技術者試験はかなり難易度が高く、準1級や1級はCADソフトとパソコンを自分で用意することになります。
3次元CAD利用技術者試験の2級は筆記試験のみですから、意欲のある方はチャレンジしてはいかがでしょうか。
参考動画:CAD利用技術者試験 一問一答 (ACSP コンピュータ教育振興協会 YouTubeチャンネル)
オートデスク認定 AutoCADユーザー試験
オートデスクとは、CADソフトAutoCADやFusion 360、Revit Architectureなどを開発販売している企業で、CADスキルを証明する試験を実施しています。
CADオペレーターとして実務に入れるスキルを証明する試験も実施しており、AutoCADユーザー試験を目指してCADを学ぶのもおすすめです。
AutoCADは日本でも大きなシェアを占めるCADソフトですから、AutoCADを使えることを証明できるこの試験に合格することは、採用試験でも有利に働きます。
AutoCADはサブスクで月額8,800円です。(>公式サイトを見る)
\AutoCADの詳細はこちら/
独学vsCADの学校(CADスクール)はどちらが良いのか
どちらが良いのか悩む場合、取るべき行動は2つあります。
- 最初はお金がかからない方法を選ぶべき
- 無料のJw_cadを実際に使ってみる
- CADを教える学校やスクールの資料請求・無料説明会に参加してみる
- 時間とお金の効率が良いポイントが判断できる
最初から大きなお金を投入するのはおすすめできません。
CADを独学ならまず国産で無料のJw_cadを使ってみることをおすすめします。
ただし独学では業界のことも、CADを使ってできることやあなたがまだ知らない就職先も見えてきません。
そこで、CAD講座のあるスクールの資料請求や無料説明会に参加することで、独学以外の選択肢を知ってみましょう。
たくさんの選択肢を実際に知ることで、正しい選択肢を選べる精度が上がりますよ。
CADの独学や勉強方法・資格についてよくある質問
- CADを習得するにはどのくらい時間がかかる?
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基本操作なら早い人で1週間かかりません。実務レベルの図面を扱えるようになるには数ヶ月かかることを念頭に置いてがんばりましょう。
- CADの資格は操作上達や実務に役立つ?
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CADの資格が実務にそのまま役立つケースは多くありません。就職や転職の試験で印象が良くなる、履歴書に書けるので採用で有利に働くイメージです。ただし独学では目標設定が大切です。合格を目標にモチベーションを保てます。
- CADを学ぶなら独学とスクール・CADの学校、どちらが良い?
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独学は費用を安くできるメリットがある一方、時間がかかる、非効率になりやすいデメリットがあります。CADスクールは費用をかけて、効率的な学習と就職・転職に進めるメリットがあります。まずは独学で始めて、同時に資料請求や無料説明会に参加すると、あなたに合う勉強方法がわかるでしょう。
- CADソフトの購入方法は?どこで売ってる?
-
業界で広く使われているAutoCADはAutodesk社公式サイトから、月額8,800円~購入できます。(>Autodesk公式サイトを見る)
【まとめ】CADの独学や勉強方法・資格勉強
本記事ではCADの独学や勉強方法、資格などについて解説しました。
- 独学でも大丈夫です
- 実践的な作図をマスターするなら2~4カ月程度の勉強が必要
- 進む業界や就職先を選びたいなら戦略的に勉強を進めるべき
CADは基本操作を覚えるのは独学でも十分です。
ただしCADオペレーターとして就職するには、最低でも数ヶ月の勉強期間を設ける必要があります。
進む業界や就職先などの目標があるなら、CADスクールの利用も一考してみましょう。